015 10分で理解するGoogle Voice - Googleが電話を変える


こんにちは、id:EC-OneのAkiです。

今日は3月に発表されたばかりのGoogleの新しいサービス、Google Voiceについて少し触れてみようと思います。

Google VoiceはGoogleの電話?

Google Voice、というサービス名を目にしたことがある人は、国内ではまだそこまで多くないのではないでしょうか?

Google Voiceは電話関連の色々な機能を統合した、Googleの新しいサービスです。
色々な... と言ってもなかなか実態がつかみにくいと思うので、例えば「SkypeIP電話みたいなことをするらしい」「KDDISoftBankみたいな通信キャリアになるらしい」というような例えが出せればいいのですが、残念ながら良いたとえが思いつきません。

Google Voiceとは「テレフォンマネジメントシステム(TMS)」と呼ばれる分野のサービスで、既に持っている固定電話や携帯電話の統合的な管理を行ってくれるものです。(TMS自体が国内ではあまりメジャーな単語ではないので、たとえも思いつかず...)

例えばあなたが

  • 個人の携帯電話
  • 会社から支給されている携帯電話
  • 自宅の固定電話
  • 会社のデスクにある固定電話
  • SkypeIP電話

をそれぞれ使っていたとします。

しかし会社や自宅にかかってきた電話は外出していると受けることが出来ません。かといって自宅にかかってきた電話を全て個人の携帯電話に転送する設定にしていると、セールスの電話まで携帯電話にかかってくることになってしまいます。
そんなときに、Google VoiceのようなTMSが役に立ちます。

色々な機能があるのですが、その中でも特に便利な機能を3つご紹介します。

便利な機能1:着信時は複数の電話をいっせいに鳴らせる

Google Voiceの「Taking calls」と呼ばれる機能を使えば、

  • どの番号にかかってきても、登録した電話を一斉に鳴らす
  • 全ての電話の留守番電話を一つに統合する

ことができます。

動画を見ると、片方の携帯電話に電話がかかってくると、もう片方も着信状態になっているのが分かります。
これを使うと、例えば自宅にかかってきた電話に対して携帯も同時に鳴るので、外出中でも取り損ねるということはなくなりますね。

便利な機能2:留守番電話をテキストにしたものがメールで届く

Google Voiceには、留守番電話に吹き込まれた声のメッセージを、自動的にテキストへ起こしてくれる「Voicemail transcript」という機能もあります。
この機能を使えば、会議中など、電話を耳にあてることがためらわれる場面でも、留守番電話の内容を文字で確認することが出来ます。

動画では実際に留守番電話を「文字」で確認しています。もしテキストに起こした際の音声認識に何か誤りがあっても、同じ画面で元の「音声」も確認ができます。
動画の0:27ごろを見てもらえると分かりますが、Gmailライクなインターフェースでメッセージを確認しています。一見、留守番電話を確認しているとは思えませんが、このような形式で自宅の留守番電話も、携帯の留守番電話も、一箇所で管理できたら便利ですよね。

さらに、文字になることで、今までSkypeGoogleTalkのログを検索していたように、留守番電話のメッセージも検索することが可能となります。

便利な機能3:もちろん無料のIP電話も使える

勿論、複数の電話を統合して管理するだけでなく、Google Voiceそのものにも「Place Calls」と呼ばれる無料のIP電話機能がついています。
国内であれば通話は無料。(*1) さらに嬉しいのが固定電話と携帯電話、パソコンのいずれからも、同サービスに接続できるという点です。

上の動画では携帯電話からGoogle Voiceの電話番号にかけている様子を紹介しています。
iPhoneSkypeIP電話が使えたように、先日発売されたHT-03Aのようなアンドロイド搭載端末でPlace Callsが使えるようになれば、もう通話料を気にする必要はなくなりますね。

アドレス帳も携帯電話に保存するのではなく、すべてGoogle Voiceに任せることで、Gmailでやりとりしていた相手の携帯電話にPCからそのまま電話を掛ける、なんて便利なことができるようになります。こうなってくるとやり取りする情報が「音声」か「文字」かというだけで、段々電話とメールの境目がなくなっていきそうですね。

GoogleGoogle Voiceでどんなポジションを狙っているのか?

Googleは既にGoogle Apps*2)という企業向けのサービス(*3)を提供していますので、そこと連携がされれば、企業はGoogle AppsGoogle Voiceを使ってコミュニケーションツール全体をカバーすることが出来ます。会社を興すときにGoogle Appsに申し込めば、情シスの担当者はサーバを用意することなく、電話もメールもすぐに準備ができる、というイメージですね。
このように電話もメールもひとつのサービスでカバーされるようになれば、かかってきた電話に隣の席の人が応対して、外出中の同僚に「○○様から電話がありました」とメールを送る、という煩雑な作業も不要になります。

今すぐにでも使いたい!けど日本国内での開始時期はまだ未定...

米国では2009年6月25日に一般公開が開始されましたが、残念ながら日本国内でのGoogle Voiceのサービス開始時期はまだ明確にされていません。
公式ページ上でも、日本語のページはまだ用意されていないような状態です。

日本国内で普通に使えるようになる時期が待ち遠しいですね。

参考ウェブページ

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*1:まだ米国内のみでのサービス提供ですが...

*2:Google Appsは、GmailGoogleカレンダーGoogleドキュメントなど、Google社が提供するアプリケーションのパッケージ名称

*3:正確には基本機能のみの無償版、企業向けの有償版、教育機関向けの無償版の3種類がある